近いようで、遠い存在のキミ (完)
 

「…今時間ある?りっちゃんと話したい」


ゆうくんの真剣な目が見えた。


いつもと違う瞳。


ドクン


心臓が鼓動する。


私はコクンと首を縦に振った。



――――…


近くの自販機で飲み物を買って、公園のベンチに二人で腰かける。


「星、キレイだよね~。星見ようと思って公園に来たんだけど、りっちゃんに会えたし、来て正解」


「私もだよ?星見ようと思ってここに来たの」


「ホント?…何かそれ、通じ合ってるみたいで嬉しい」


ゆうくんが空から私の方に視線を移して、にこっと笑う。


「―――…」


さっきから心臓の音がうるさい…。


何か、調子狂う。


ゆうくんの言葉が…私の都合のいいように聞こえてしまう。


期待しちゃダメなのに、してしまいそうになる。


ダメだよ…。


私はゆうくんから視線をはずしてしまう。

 
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