近いようで、遠い存在のキミ (完)
 

「特に実のない話でも、話すだけで楽しくて、安心できた。会うのが楽しみで、毎日柄にもなく早起きしたりしてさ」


……あれ?


私は違和感を感じる。


あみさんのこと話してる…んだよね?


「いつ出てくるかわからないから、適当にフラッと外に出てみたりして。ビンゴで会えた時には、心の中でガッツポーズしたりね」


「――…」


誰のこと、言ってるの…?


涙が私の目から溢れる。


「……やっぱり、諦められない。他に想ってる人がいるとしても」


ゆうくんの目に私が映る。

 
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