近いようで、遠い存在のキミ (完)
「―――…すき。ゆうくんが好きなの」
私、きっとひどい顔してる。
涙でぐちゃぐちゃだと思う。
それでも伝えたかった言葉。
もう、私だけじゃこの気持ちを抱えきれないから。
「今の…ホント?オレ、なの?」
ゆうくんの問いかけに、首を縦に何度も振ることで答える。
「――っ!?」
ゆうくんの腕に包まれる。
痛いくらいの腕の力。
「夢、じゃないよね?」
耳元で聞こえてくる、ゆうくんの声。
それは私の台詞だよ…。
夢じゃないことを祈りながら、私はゆうくんの背中に腕を回した。