近いようで、遠い存在のキミ (完)
想いが通じあった日から数日。
今まで知らなかったゆうくんの新たな一面に、驚く毎日を過ごしていた。
ていうか、今まで猫かぶってたでしょ…?
基本は変わらない。
ゆうくんと私の間に流れるホンワカとした空気がすごく心地いいし。
でも…たまにS過ぎるんだけど…!
「はい」
「へ?」
ゆうくんが私に向かって、顔を突き出している。
うっ…もしかして…。
「りっちゃんからキスしてくれたら教える」
「!でっできない!」
何言い出すの、この人は!
私は焦る。
とことん焦る。
「…じゃあ、何してくれる?」
「う…い、いじわる!」
「それでりっちゃんに触れるなら、何て言われようと構わないし」
ゆうくんは満面の笑顔で、ジリジリと私に近付いてくる。
いやいやいや!
私が構いますから!
もう、勘弁して~…。