近いようで、遠い存在のキミ (完)
「りっちゃん?」
私はゆうくんに背を向ける。
「りっちゃーん?」
ちょっとの間、無視しちゃえ。
「あ」
ゆうくんが思い出したように、声を出す。
「………」
私は答えない。
「あみの相手ってさ」
「えっ!?」
私はガバッとゆうくんの方を振り向く。
「やっと振り向いた」
「んむっ!?」
やられた!と思った時には、唇を塞がれていた。
ひとしきり、ゆうくんは私にキスをする。
私がゆうくんの胸を押し返しても、離してくれない。
苦しくて、息が上がる…。
もう、限界かも…と思った瞬間、唇が離れた。
「―――ハァッ…」
…ようやく離れてくれた。
「…欲しがってるのはオレだね?」
ゆうくんの、にっこり笑顔。
「―――っ!」
私が真っ赤になったのは言うまでもない…。