マイルド・ガールとワイルド・ボーイ2
170以上ある千梨が睨むと、こちらまで怖くなる。


「小川…フラれたからって、逆上してんじゃねぇよ。最低だなお前」


「ウルセェ!お前みたいなヤツにはオレの気持ちなんて……っ!!」


「ああ分からないね。分かりたくもねぇ。だからとっとと消えろ。じゃなきゃ、地獄に落とすぞ」


千梨がパキボキと、拳を鳴らす。


小川君は“ヒィッ…!”と小さく悲鳴をあげると、猛スピードで走って逃げて行った。


取り残された、私と千梨。


私の体は、ガタガタ震えていた。


「あ………」


男の子に襲われかけた恐怖と、助かった安心感。
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