マイルド・ガールとワイルド・ボーイ2
アハハハと笑って自分の意見を消そうとする知良。


何か言い返したくなったが、何をどう言ったらいいか分からなかったので、黙って屋上を出た。


教室に向かう道のりの中で、知良に言われた事を思い出す。


幹居……オレの事知らねぇのか?


だから中庭で会った時、他の女みたいに目をハートにして騒がなかったのか?


「…………まさかな」


屋上で知良に言った事と同じ事を繰り返した。


すると、腹がいっぱいになってご機嫌な知良が誰かを指差した。


「あ、幹居と相ケ瀬だ。やっぱ2人共美人だな」


オレは人差し指の先をたどる。
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