カラフル。



その時にボランティア活動のことを話しているのを聞いたことがあった。


「偽善者が何を今更……」


私は目を瞑る。

同じことが頭の隅から隅まで駆け巡る。

姉が死んだ夜は、涙も出なかった。

ああ、死んだのか。

そんな程度だった。

もとより私が悲しむ理由などない。

憎き倉知の血が、色濃く受け継がれている人間なのだから。

私もその1人だが、死のうとは考えない。

生きる理由などないけれど、死ぬ理由もないのだから。


「ボランティアなんて…バカげてる」


姉は私への罪滅ぼしかボランティアをやっていたのだろう。

優奈がいつも私にその話をしていた思惑は見え透いていた。

でもそれこそ自己満足だ。

“自分は悪くない。悪いのは父だ。自分は悪くない。今こうして償っている。”

そう言い聞かせたいだけなのだ。

所詮、人間など知れた生き物だ。

私利私欲の為に平気で人を傷つけ、人を捨てる。

愚かな生き物だ。




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