皇子と私


「あっ………佐喜…………」


佐喜の背中がいつもより小さく見えた。


追いかけたい………
後ろからギュッと抱き締めてあげたい………そう思わせるような背中だった。


「……もうダメかもね………私…」



部屋に帰ると、生活係の椎名さんがいた。

「あ、お帰りなさいませ!!亜美様」

「……椎名さん……ただいま……」

泣きたい思いを堪えた。
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