.March.
◆プロローグ
『うーんっ…』
吸い込まれそうなほど
青い空。
風が気持ちよくて
思いっきり伸びをした。
さすがに
こんなにいい天気の中
じっと授業なんか
続けていられる
わけなんかなくて
6限目をさぼりに
屋上まで来てしまった。
3月なら
普通はちょっぴり
空気が冷たいはずだが
太陽から伸びる光は
あたたかくて…
―キン―
大切な指輪が落ちたが
私は気づかず横になった。
この時気づいていたなら…
この時寝ていなければ…
こんなことには
ならなかっただろうか?