.March.






△▼△▼△▼△▼


学校の鐘の音がする。


『ん〜…』


起きて下を見てみれば
下校中の人ばかり。


やばい!!!
早く帰らなきゃ!!



バックを持ち、
急いで階段を降りるが
途中で気づいた。


─指輪がない…─






ダッシュで戻る。

結局
急いでいたが
また屋上に戻ることに
なってしまった。


もう時間なんて気にしても
意味がない気がしてきた。


『あれ?ない…?』





おかしいな。

さっきまでいた屋上。

誰も来てないはずなのに…


もう一度隅々まで探すが
やっぱりどこにもない。


ため息をつき、

仕方なく
校庭を眺めようとして
さっきまで
寝ていた高台にのった
そのとき






『っ!!』



ウソだと思った。



信じられなかった。




いや、
信じようとしなかった
のかもしれない。







世界が



消えはじめていた。






どんなに高いところに
居ても、
徐々にせまる恐怖からは
逃げることができない。


『な…んで?…い…や。
いや-ッ助けて!!!
パパ!!ママっ!!…



すくむ足。


つま先から

闇に落ちるように

飲み込まれていった…


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