僕等の恋に愛はない

 「視線が痛い。スカート重い。歩きにくい。ねぇ、スカート破っていいかな?いいよね」


 「だめー!もぉ!ノリくんわがままだよ!」

 「うわー…四歳の子供に言われた。心外だ。プライド傷つくなぁ」


 涼しい顔で、何とも思っていない祝詞が笑った。

  
 「今頃、静とかエルは血眼になって僕(椿)を探してるんだろうね。笑える!いっつも余裕な静が慌てふためき汗だくになりながら僕(椿)を探す何て!楽しすぎる!いっそこのまま国外まで逃亡してあげようかな~」


 何やら馬鹿な想像をしながら一人で笑う花嫁に、先程よりも周囲の視線は冷たくなった。


 
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