僕等の恋に愛はない
ギュッと抱きつかれた。
いつもなら触らないでよと交わすのに。
今日は何故だか交わせなかった。
小さな手。小さな体。小さな腕に抱きしめられ、祝詞は何故か胸が熱くなった。
「僕らの…おかげ?」
「うん!ノリくん大好き!!」
偽りなど無い。純粋に。心から。想われているのだと、今やっと祝詞は知ることになる。
「なんだ。怨んでないの?椿を独占する僕等のこと」
「好きだもん。大好きだもん」