僕等の恋に愛はない
ー公園前・同時刻ー
「もう…オレ歩けない…」
地面に座り込んだ麗(あきら)と同時に砂音(さのん)もしゃがみ込んだ。
「僕も…」
三時間ぶっ続けで歩いた結果は、最初に通りかかったパンジーの咲く公園だった。
大分遠回りをして、やっとここまで着いたわけだが、この先が分からない。
どうしようかと悩むことすら億劫になっていた。
「…花高かったね」
「エルに謝らないとな」
「だったら早く行かなきゃ」
「そうだな。謝るのは早い方が良いってお母さんも言ってたし」
「…うん。それと静くんにも」
「…ユウにもだ」
「…ははは…僕達今日沢山謝らないといけないね」
「こういうのゴロウ、ジトクって言うんだよな」
「違うよ。ジゴウジトクだよ」