僕等の恋に愛はない
全力疾走で式場に着いた四人を、狼狽、静とその他大勢のスタッフが出迎えた。
ボロボロの花嫁と三人の子供達にスタッフが息を呑んだ。
「で?あんたはだれ?」
腕組みしたままアーチに背を預けた静は、明らかに椿ではない祝詞を睨んだ。
「祝詞で悪かったね。…僕一体今日一日で何度この台詞言うんだろう…」
どうでもいいことで悩む祝詞を静は睨む。
「おい祝詞。椿は式に出ないのか?」
「…そうらしいね」
「あんたが出るの?」