僕等の恋に愛はない
決して穏やかな気持ちではないけれど、静は頷いた。
「私はあなたの夫となる為にあなたに自分を捧げます。
そして私は今後、あなたが病める時も、健やかな時も、
貧しい時も、豊かな時も、喜びにあっても、悲しみにあっても、
命のある限りあなたを愛し、
この誓いの言葉を守って、
あなたとともにあることを約束します」
誠実に、心から。誰よりも貴女(椿)を思っているから。
だから、悲しませないように。
ずっと守れる存在でいられるように。
そのための結婚だと静は思う。
たとえ、…結婚の意味が椿にとっては別物だとしても。
…利用されていると知っていても…この結婚に愛などないと知っていても…
静は誓った。
神の前で。大勢の参列者の前で。
たった一人の愛する人に、永遠の愛を。永遠の忠誠を。