僕等の恋に愛はない
「私はあなたの妻となる為にあなたに自分を捧げます。
そして私は今後、あなたが病める時も、健やかな時も、
貧しい時も、豊かな時も、
喜びにあっても、悲しみにあっても、
命のある限りあなたを愛し、この誓いの言葉を守って、
あなたとともにあることを約束します」
不誠実な椿が、
否、椿の姿をした祝詞が静へ愛を誓った。
神の前で。
自分では怖くて、
神の前で、
他の人の前で嘘を誓えない弱い椿に代わり、
愛など知らない祝詞が誓いの言葉を紡いだ。