ランデヴー II
本気、なんだ……。


熱い思いがひしひしと伝わってくる。



「返事はゆっくり考えてくれればいいから。でも……合コンには行くなよ?」


モリケンはチクリと釘を刺すと、小さく笑った。



「あ、うん……。あの……、有り難う……」


私はそれだけ言うのがやっとで、再び食事を続けるモリケンのことをまだ信じられない思いで眺めていた。



モリケンが、私のことを――。


ドキドキが収まらない。



ただの会社の同僚だと思っていたし、そう見られていると思っていた。


でも同じ部署になって毎日接するようになり、最初の頃に抱いていたような軽薄な印象はなくなっていた。


意外と真面目だし、仕事もできる。


話していて楽しいし、安らげる時だってある。



私はモリケンに言われたことを真剣に考えなければならないと心に刻みつつ、グラスに手を伸ばしてワインをゴクリと飲み込んだ。
< 27 / 408 >

この作品をシェア

pagetop