ランデヴー II
容赦なく突き上げてくる罪の意識に、ギュッと目を閉じて顔を顰める。


そして思うことはただ1つ。



もう――終わりにしたい……。


こんなにも苦しいのは、もうたくさんだ。



でも私はこの想いに終止符を打つ術を知らない。


どうすれば倉橋君のことを忘れられるのか……いつまでも見つからない答えをぐるぐると探し求め、途方に暮れることしかできない。



私は長い長い溜息を吐くと、ベッドを軋ませ彼の傍を離れた。


これ以上愛おしい気持ちが溢れてしまわないように……元の自分に戻る為に。



シャワーを浴びるとまるで思い出したかのように、どっと疲労に襲われた。


倉橋君の存在をすぐ傍に感じながら、ソファーで布団をかぶって横になる。



同じ部屋にいるという事実を頭から追い払うように、無理矢理目を閉じたはずの私は、いつの間にか深い眠りへと落ちていた……。
< 288 / 408 >

この作品をシェア

pagetop