ランデヴー II

<君の隣>

夢を見ていた気がする。


何だかとても幸せだ。



このやたらと安心するような心地よさは、前にも感じたことがある。


頬を滑るくすぐったい感触も、髪を撫でる手の優しさも。


温かくて、優しくて、それ故に少しの悲しみを誘う。



そして、ふわふわ、ふわふわと。


微かに体を伝う振動で、ふと目が覚めた。



暗闇の中にぼんやりと見えるのは、私を見つめる……2つの目?


そして宙に浮く感覚と、温かい腕に包まれている感触。



「え……?」


訳がわからず、必死で頭をフル回転させる。


ゆらゆらとした浮遊感から、誰かに抱き抱えられていることがわかった。



不意に倉橋君と一緒にいたことを思い出し、一気に全身の神経が覚醒する。


ドキドキと、早鐘のように胸が鳴った。


これは……夢……?
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