ランデヴー II
想いを寄せられることはあったが、いまいちピンと来ないと言うか……そもそも軽い出会いだったせいかそんな気持ちになれないのだ。


それでも毎日は充実していたし、特に不満は抱いてない。



「毎日楽しいからいいや、とか思ってたら、確実に婚期逃すんだからね?」


まるで私の気持ちを読んだかのように、佐和子がボソッと呟く。



そんなの……わかってるけど……。


結婚する為の恋愛、ということが、何だか上手く飲み込めない。


ただの恋愛すら上手にできないのに、結婚まで見えないというのが本音だ。



「恋愛から遠ざかれば遠ざかる程、復帰は難しくなるんじゃない?」


「うーん、そうかもねぇ……」


佐和子の言葉に上手く返す言葉が見つからない。


今の私には、自分の赤い糸の先にちゃんと相手がいるのかさえ疑問だった。



もしかしたら、私は一生独りなんじゃないか。


そんなことすら考える。


そして怖いのは、それでもいいかと思っている自分。
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