ランデヴー II
土曜日は短大時代の友人と会う約束をしているが、日曜日は空いていた。


私がその旨を返信すると、すぐに返事が返ってくる。



『じゃぁ、日曜日な。場所と時間は追って連絡する』



そうして、アッと言う間に日曜日のデートが決まってしまった。


モリケンと仕事以外で休みの日に会うのは初めてのことで、ふわふわと気分が弾む。



でも……。
デート……。


あまりにも久しぶり過ぎるその響きに、不意に若干不安な気持ちが入り交じった。


ちゃんとしたデートは、陽介としたドライブ以来だ。


つい過去を振り返ってしまう自分に気付き、小さく息を吐く。



あの時のことは既に思い出だ。


芋づる式に別れの日のことを思い出しても、今はもう心は動かない。


どんなに時が経っても記憶がなくなることはないが、身を切るような痛みも切なさもない。


ほんの少し、気持ちが暗くなるだけ。
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