ランデヴー II
例えば、普通の恋人同士だったら……。
2年前までは何度もそう考えたことが、今はすんなりとできている。
モリケンとのデートは、とても楽しかった。
彼の起こすアクション1つ1つからは、場慣れした様子が窺えた。
例えばお店のチョイスにしても海の見える場所だったり、意外とレディファーストで女性の扱いに慣れていたり。
それはただの同僚として付き合っている時には、垣間見れなかったことだ。
今は私のことを大切な女性として扱ってくれているのだということを、ひしひしと感じる。
それに、さすが営業部だっただけあって話術も巧みだ。
楽しい話は途切れることなく続いた。
こうして今日1日を一緒に過ごすと、モリケンの男性としてのレベルの高さを嫌という程に思い知らされる。
それは私が今まで知ろうともしなかったことで、もしかしたら世の28歳独身男性とは皆こういうものなのだろうか。
いかに自分が普通の恋愛というものから遠ざかっていたのかということを、改めて感じた。