ランデヴー II
「確かにそうだけど……何か、嬉しかったから」


「嬉しい?」


「うん。モリケンにそう想われてるって知って、嬉しかった……」


そう言うと、モリケンは「そっか……」と目を細めて笑った。


その笑顔に、私も嬉しくなって笑い返す。



「モリケンは?」


「え?」


「いつから私のこと……その……」


本当はこんなこと聞くのも恥ずかしいが、何だか気になった。



一体モリケンの中で、いつから私はそういう対象だったのだろうか。


少なくとも日々接している中で、私は何も気付かなかった。


そんなに私って鈍かったっけ? と少し落ち込む程に。



「あぁ……。半年前の事故の時から、かな」


「事故……?」


「倉庫で事故ったことあっただろ? それで商品出荷できなくて……」


そう言われ、私は「あぁ……!」とその時のことを思い出した。
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