ランデヴー II
……遡ること、10分程前。
家に帰った私は、浮かれ気分で野菜を切っていた。
今日のメニューは、オーソドックスなジャガイモと牛肉のカレーだ。
まな板の上で倉橋君のことを考えながら、小気味よくトントンと音を鳴らすことは楽しい。
自分だけの為ではなく、好きな人の為に料理をする時間が、私は大好きだ。
だがそんな時間は突然の「ピンポーン」というインターホンの音によって、中断された。
倉橋君にしては早い到着に、私は首を傾げる。
もしかしたら、仕事が早く終わったのかもしれない。
そう思いながらモニターを覗き込んだ私は、一瞬息が止まりそうになった。
そこに立っていたのは、賢治だったからだ。
「はい……」
緊張しながらも受話器を上げてそう答えると、賢治がカメラ越しにこちらを見た。
少し困ったような顔で「俺……」と小さく呟く。
家に帰った私は、浮かれ気分で野菜を切っていた。
今日のメニューは、オーソドックスなジャガイモと牛肉のカレーだ。
まな板の上で倉橋君のことを考えながら、小気味よくトントンと音を鳴らすことは楽しい。
自分だけの為ではなく、好きな人の為に料理をする時間が、私は大好きだ。
だがそんな時間は突然の「ピンポーン」というインターホンの音によって、中断された。
倉橋君にしては早い到着に、私は首を傾げる。
もしかしたら、仕事が早く終わったのかもしれない。
そう思いながらモニターを覗き込んだ私は、一瞬息が止まりそうになった。
そこに立っていたのは、賢治だったからだ。
「はい……」
緊張しながらも受話器を上げてそう答えると、賢治がカメラ越しにこちらを見た。
少し困ったような顔で「俺……」と小さく呟く。