ランデヴー II
半年程前倉庫内で機械のトラブルがあり、出荷予定だった商品がダメになるという事故が発生した。
もちろん全て倉庫側の責任であるが、納期が守れなくなったことで営業部からのクレームは凄まじかった。
恐らく相手がモリケンだからということもあるかもしれないが、見ていて可哀相になる程に酷い言われようだった。
でもモリケンにとっては先輩に当たる人だし、倉庫への窓口であるこちらとしては平身低頭で謝るしかない。
最終的には部長が出てきて、丸く収まったという感じだった。
あれからモリケンを誘って、一緒に飲みに行ったんだっけ。
「落ち込んでる俺の肩叩いて言ってくれただろ? 『私はモリケンの味方だから』って。あれからマジでドキドキして、しばらくお前の顔見れなかった」
モリケンは「ちょっと恥ずかしいけどな」と言って、目の前のお酒を口に含んだ。
カラリと氷が転がる音がする。
あの時の私は営業部に対して怒り心頭だったから……モリケンをどうにかして元気づけたかった。
だってモリケンに直接の責任がないことは誰の目から見ても明らかだったし、それなのにあそこまで責め立てる営業部が理解できなかった。
社内の人間とはいえ、人対人である以上思いやりや尊厳は大事だ。
それが欠けている営業部を、その時憎いとすら思っていたのだ。
もちろん全て倉庫側の責任であるが、納期が守れなくなったことで営業部からのクレームは凄まじかった。
恐らく相手がモリケンだからということもあるかもしれないが、見ていて可哀相になる程に酷い言われようだった。
でもモリケンにとっては先輩に当たる人だし、倉庫への窓口であるこちらとしては平身低頭で謝るしかない。
最終的には部長が出てきて、丸く収まったという感じだった。
あれからモリケンを誘って、一緒に飲みに行ったんだっけ。
「落ち込んでる俺の肩叩いて言ってくれただろ? 『私はモリケンの味方だから』って。あれからマジでドキドキして、しばらくお前の顔見れなかった」
モリケンは「ちょっと恥ずかしいけどな」と言って、目の前のお酒を口に含んだ。
カラリと氷が転がる音がする。
あの時の私は営業部に対して怒り心頭だったから……モリケンをどうにかして元気づけたかった。
だってモリケンに直接の責任がないことは誰の目から見ても明らかだったし、それなのにあそこまで責め立てる営業部が理解できなかった。
社内の人間とはいえ、人対人である以上思いやりや尊厳は大事だ。
それが欠けている営業部を、その時憎いとすら思っていたのだ。