ランデヴー II
「けん、じ……」


「もう1回……」


「……っ、賢治……!」


追い詰めるように体をまさぐるその指に突き動かされ、叫ぶように名前を呼んだ。



瞬間唇を塞がれ、激しく舌を絡ませ合う。


お互いの吐息が混ざり合い、頭の中が空っぽになっていく。


ただ賢治の動きにこの身の全てを委ね、大きな波のうねりにひたすら翻弄されていくようだった。



そうして何度も求められる夜は途方もなく甘美で、私はそのとろけるようなひとときに呑み込まれていったのだ――。
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