ランデヴー II
「守山さんも、お久しぶりです」


「あぁ、倉橋も元気そうだな。マーケティングはどう? 忙しいだろ?」


「はい、そうですね。でもやり甲斐ありますし、楽しいですよ」


「そう。良かったな」



賢治は後輩を気遣う先輩として、優しい笑みを向けていた。


2人はたった半年という短い間だったが、在籍期間がかぶっている。


仕事の関わりもそれなりにあったし、全く知らない仲ではない。



でも2人がどれくらい親密だったかとか、そこまではわからなかった。


私は倉橋君と関わることを避けていたし、賢治のことも同僚としてしか見ていなかった頃のことだから、全く思い出せない。


恐らくだが、プライベートで仲がいいという印象ではなかった。



「あの……」


2人の姿をぼんやりと眺めつつ考えを巡らせていると、倉橋君が何となく言いづらそうな様子で口を開いた。



「2人って……もしかして付き合ってます?」


ドキン、と。


肩が震える程に、心臓が高鳴る。
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