ランデヴー II
だがある日の飲み会の席で、私はあっさりと事実を知ることとなる。
佐原さんが「お前、前田と付き合ってんの?」と、ズバリ聞いたからだ。
そしてその言葉に、倉橋君は一瞬の沈黙の後、頷いた。
「付き合ってますよ」
と、決定的な言葉と共に。
私の恋が、呆気なく終わった瞬間だった。
心臓を鷲づかみにされたかのような痛みが胸を支配し、その後散々佐原さんにからかわれる倉橋君を抜け殻のように呆然と眺めるしかなかった。
私には、倉橋君はまだ私への思いが残っているんじゃないかと、そんな驕りがあったのだと思う。
今想いを告げればまだ間に合うのではないか。
後になって考えると恥ずかしいことこの上ないが、その時の私はそう信じて疑っていなかったのだ。
でも現実はそんなに私の思う通りにいくはずもない。
思い返してみれば、倉橋君の気持ちに応えられないと言ったあの日から、彼は私と距離を置くようになっていた。
雑談もあまりしなくなったし、佐原さんから良く「何か雰囲気変わったな?」と言われていたのを思い出す。
佐原さんが「お前、前田と付き合ってんの?」と、ズバリ聞いたからだ。
そしてその言葉に、倉橋君は一瞬の沈黙の後、頷いた。
「付き合ってますよ」
と、決定的な言葉と共に。
私の恋が、呆気なく終わった瞬間だった。
心臓を鷲づかみにされたかのような痛みが胸を支配し、その後散々佐原さんにからかわれる倉橋君を抜け殻のように呆然と眺めるしかなかった。
私には、倉橋君はまだ私への思いが残っているんじゃないかと、そんな驕りがあったのだと思う。
今想いを告げればまだ間に合うのではないか。
後になって考えると恥ずかしいことこの上ないが、その時の私はそう信じて疑っていなかったのだ。
でも現実はそんなに私の思う通りにいくはずもない。
思い返してみれば、倉橋君の気持ちに応えられないと言ったあの日から、彼は私と距離を置くようになっていた。
雑談もあまりしなくなったし、佐原さんから良く「何か雰囲気変わったな?」と言われていたのを思い出す。