ランデヴー II
だから考えるのはやめにしよう。


私には賢治がいる。


それに、明日からはまた倉橋君とは会わなくなる。


そうなれば、きっとすぐに心の中から追い出せるだろう。



賢治だけを見つめよう。


彼が私を求める限り、それに応えていきたい。


これからも、ずっと。



そう自分に言い聞かせ、私は水音を立てて立ち上がった。


今日はもう疲れたし、早く寝てしまおう。


そうして込み上げる思いに蓋をして、私はバスルームを後にした。
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