あらま、変な子!
今日は入学2日目なので、授業はひとつだけ、すぐに帰る。

担任のオバサンがダラダラと長い話をしている中、俺は新しい席でうつらうつら。


うぁー……陽がやわらかくて、マジで気持ちい……。

ほんとこの席当たりだわ……。

こっくりこっくりと、夢の世界へと小舟をこぐ。

そのとき。


「やぁ、僕の名前は消しゴムのハリーだよ」


……は?

腕を枕にした体制のまま、目を開ける。


「君の名前はなあに?」


そこには、不気味で随分と乱雑な顔の描かれた消しゴムがいた。

ゴシゴシと目をこする。

やべえよ俺……入学早々頭がイカれちまったのか……?

ムクッと体を起こすと、消しゴムはビクッと……いや、なんとも無惨に投げ飛ばされた。
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