社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中



「そういう事だから頼む」

『では、失礼致します』





串田との電話が終わり携帯を耳から離し、視線を下に向ければ俺の足元周辺は当然の如く濡れていた。


バスローブを着込んだだけで拭いてはないから仕方ないとは言え、これは流石に汚しすぎだろうな。





「俺は馬鹿か」





この場にもしも優子が居たらすぐに掃除しますから!とか言うんだろう。


それか怒る所か何故か楽しそうにするんだろう。


何が楽しいのか分からないが嫌な顔一つせずニコニコと。


――床を汚してしまった。


笑顔で掃除する優子を見ていたらそんな罪悪感が俺からはきれいさっぱり抜けていく。


逆に俺は優子に良い事をしたと本気で勘違いしてしまいそうで怖い。


これも重症というものなのか?



< 155 / 514 >

この作品をシェア

pagetop