社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中



「飯田さん、少しいいかな」

「はい」

「私も家内も優子の幸せを望んでる。勿論、飯田さんの幸せも。優子が今飯田さんと共に帰れば今まで通りの幸せに過ごせると思う。でもその幸せも一時の物で。こう言っちゃ悪いと思うけど君が優子に言った‘言葉’を聞く限り先の事を考えると心配でならない」





捲し立てるように言ったお父さんの言葉が胸にグサッと刺さる。


グサッと刺さるのは本当の事だから。


‘一時の幸せ’は特に当たってるかもしれないって思えてしまったから。


もしもこの場で拓斗さんが差し出してくれた手を握り返せば、いつか私は同じ事を繰り返す事になる。


お腹にいる赤ちゃんがうまれて、それこそどんどん成長していく時に。


拓斗さんと赤ちゃんの幸せを思えば一緒に生活は難しいと確信してしまったら。



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