社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
「離れられたら何も出来ない。優子が居ないと俺は何も…」
「そんなの」
そんなの嘘。
私から見た拓斗さんという人は何もかも完璧に出来る凄い人で、だからこそ何も出来ないという言葉が信じれない。
そんな私に対し拓斗さんはまだまだ続る。
「昨日優子が出ていってから食事もトイレも寝る事も出来なかった。ソファーに座ったまま朝になるまで優子の事だけ考えて…、動く事すら儘ならなかった」
眉を寄せて笑った拓斗さんがゆらゆら揺れて見えなくなっていく。
私って可笑しいのかな?
そう思ってくれた拓斗さんが愛おしくて嬉しくなるのは可笑しいのかな。
「全く年上のくせに情けないだろ?」
私の涙をそっと指で拭ってくれた拓斗さん。