社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
「また来るね」
「次は飯田さんと来なさいね」
ゆっくり動き出す拓斗さんの車の窓を全開に明けて手を振る。
なんだか思い出してしまう。
拓斗さんと入籍する前の事を。
「お父さんお母さん!次は…。暇な時にでも私の家に遊びにきてね」
こうやって拓斗さんの車に乗り婚姻届を出しに行ったんだなあって。
まあ、あの時は拓斗さんの格好はスーツだったけど。
「―…な」
「あ、何か言いましたか?」
「思い出すなと言っただけだ」
「えー拓斗さんもですか!?私もですよ」
これって以心伝心と言うやつなのかな。
拓斗さんと私は…
すっごーく似た者夫婦だからきっと同じ事を考えているんだよね。