社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
「優子はあの時」
「はい」
「何を考えていたんだ?」
何をって…
そりゃあ、私はあの時。
「心配でした」
「心配?」
「あの時の私は拓斗さんの事が一ミリたりとも好きじゃなかったので…。怖いくらいに心配でいっぱいでした」
ちっとも気分は乗ってなくて、結婚も嬉しくなんてなかったのが事実。
ウインカーを出す拓斗さんを見ながらそんな事実を告げてみれば…
「正直だな」
と、私に言いながら拓斗さんは苦笑いを浮かべハンドルを回した。
ちょっと言いすぎたかな…?
「あ、でも今は一番好きです」
「……」
「拓斗さんが居なくなったら生きていけないくらい大好きなんですよ!」