社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
けど、拓斗さんの身体は微かに震えている。
拓斗さんは私の妊娠を知って一体どんな気持ちでどんな表情なの?
私、知りたいよ。
拓斗さんの腕の中から抜け出し顔を覗こうと身を軽く捩ってみると…
「ありがとう」
そんな言葉が聞こえてきた。
小さくてこんなに近くに居ても耳に入ってくるか本当微妙な小ささ。
それなのに私の耳にはちゃんと何故か山びこ、エコーもついて届いた。
拓斗さんの声が震えてる…
「わ、たしこそ!私こそありがとうございます」
だって拓斗さんが居なかったら当たり前だけど私は妊娠していない。
「優子」
「なんですか?」
「何もないのに呼ぶのは変か?」
「そんな事ないですよ」