社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
突然、途切れた言葉。
青葉の口はグッと閉じてあって今から続きを言おうとする感もない。
どうしたのかな…?
思わず首を傾げていると。
「……っ」
ふんわりと私の大大好きな香りが鼻を掠めた。
その匂いは気分を落ち着かせ、何度嗅いでも私の心をときめかす。
そんな匂いを私が間違える訳がない。
「た、くとさん」
後ろを振り向けば…
開いた扉の先にある廊下の壁に拓斗さんは寄り掛かり腕を組んでいた。
その瞳は真っ直ぐ私だけを見つめていて…
「お帰りなさい」
「あぁ」
「一体いつからそこに居たんですか?あっ。拓斗さんが帰ってきてる事を全く気付かなくて本当にごめんなさい」