社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
まあ、そうなると言ったって私はちっとも社長夫人らしい事はしていないし。
馬鹿にされてしまいそうだけど未だ自分自身の立場がしっくりこず。
社長夫人という自覚も実感もゼロに近い。
「聞いた方が早そうね」
「じゃあ、私が聞いてきます」
そう言って踵を返そうとした時。
「―…ご案内致しますよ。私が会長と社長の元へ」
そんな声が後ろから聞こえてきてえっ、と驚きながら振り向いてみれば…
そこには串田さんが立っていた。
「串田さん…」
「何故、居るのかしら?」
誰にも伝えずに来たはずなのに…
っていうかいつから後ろに居たのかな?
「偶然会議室から見えましたので」