社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中



カチャリと串田さんが車を降りて、携帯を耳に当てながら車からどんどん離れていく。


当然、車内は拓斗さんと二人っきりになる訳で。





「天気いいですね」





気まずいけど何か話さなきゃ、と思い口から出たのはそんな言葉。


天気なんて言わなくても分かるのに!





「―…優子」





一際拓斗さんの低い声に身体が痺れる。





「何故、連絡をしてこなかったんだ」

「ごめんなさい」

「俺は理由を聞いている」





もう一度ごめんなさいをすれば拓斗さんは何も言わず視線を外した。


こんな事になるくらいなら…


お義母さんからの誘いだとしてもちゃんと普通に断っておけば良かった。


なんて遅すぎる後悔。



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