社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
「悪い」
「た、くとさん?」
「優子にこうして聞かなくても連絡しなかった理由くらい予想つく」
肘をつき窓を見たまま拓斗さんは言う。
「お袋の所為だろう」
「それはその…」
お義母さんに言われたからは事実。
けど、なんていうか。
お義母さんの所為にするのは卑怯というか、それはなんか違うと思うし。
かと言っても…
「余裕がない」
「えっ」
「余裕もなければ…。俺はより可笑しくなったみたいだ」
可笑しいって何が?
そもそも拓斗さんが謝る理由ってなんだろう??
「お袋が優子の側にいたと知っても心配だ」
「心配、ですか?」
「タクシーが事故る可能性があるだろ」