社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
振り向き拓斗さんを見た途端、私の緩んでいた顔が一気に引き締まる。
ちょっと失礼しますよ!
と、拓斗さんに手を伸ばす。
「ごめんなさい」
どうして私は…
どうして今まで気付かなかったんだろう。
「いつからですか?」
「何がだ?」
何がって、もしかして拓斗さんは気付いていないって事?
それとも私を気遣ってくれて知らないフリをしてくれてるという事?
「待っててください」
そう言って私は立ち上がると救急箱を置いてある場所に向かう。
救急箱から取り出したのは体温計。
拓斗さんのおでこを触った感じがいつもよりちょっぴり熱い気から。
これは平熱より少し高そう。