社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
「午後からのスケジュールの変更はあるか?」
「いえ、今の所は」
「そうか。なら15時から30分の間少し出る」
どちらに…?と社長に聞けば社長は口を噤み、そのまま書類に視線を向けた。
「30分だけで足りますか?」
「足りるとは?」
「熟して頂けるのであれば1時間空きますが」
奥様から実家に行かれた日からの社長は仕事が遅くなった。
まあ、遅くなったと言っても充分早い方。
「分かった」
――それから社長は3時間の間に奥様が出ていかれる前のように、早く仕事を熟していき1時間以上時間が空いた。
このまま帰っても結構ですと言いたいが、17時から第1会議室で割りと大きめの会議があるから帰ってきてもらわないと困る。