社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
だってそうだろ?
笑顔でも今にも泣きそうな顔で歩いてきた優子は、走りだしそうな勢いだった。
そんな気持ちは嬉しいが俺としては複雑。
もしも転けたらどうするんだ、と。
「実はさぁ…」
「うん」
「なんか忙しくて仕事行ったみたい」
「そうなんだ…。仕事なら仕方ないけど残念だね」
優子は眉を顰めてそういうと奈々と呼ばれてる子の眉が、優子とは違い微かにつり上がったように見えた。
が、優子は気付かなかったみたいだ。
「優子」
「なんですか?」
「寒くはないか?」
俺が送ったコートとワンピースしか着てない優子。
薄着ではないが外は充分寒く風も吹いている。
そんな中で立つ優子を見てられない。