社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
盗み聞きするつもりはないが隣でしている会話は、そのまま俺の耳に届いてくる。
またダーリンというフレーズ。
普段は俺を‘拓斗さん’としか呼ばない優子がダーリン、か。
いいな。
「そうだった!」
「んも、ダーリンの事しか考えてないんだから」
「だって…。とりあえず渡しに行かなきゃ」
と、俺のコートを引っ張り優子が見上げてくる。
「どうした」
「拓斗さんも一緒に来てくれますか?」
俺も一緒に…?
「それいいじゃん。ダーリンと離れたくないならそれが一番」
「あの、拓斗さん。よかったら一緒に来てくれませんか?すぐ終わるので」
優子にそんな風にお願いをされたら断れる訳がないだろう。