社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
いや、そういう訳じゃないんです!と違うんだから否定するべきなんだろうけど…
今の私にはそんな余裕はちっともなく。
其れ処かぼろぼろと涙を流しながら立ち尽くしている。
「ゆ、優子!」
そんな私を見て驚いたのか焦り顔の拓斗さんは、何を勘違いしたのか私の身体を持ち上げようとして。
抵抗しない私はそのまま拓斗さんに持ち上げられた。
「今すぐ帰ろう。いや、病院に行こう」
「ちが…」
「傍に居た俺が優子の体調に気付いてやれないなんてな。優子に謝っても謝りきれない」
違う、違う、違うのに。
「体調悪くない、です」
「俺の為に嘘ついてくれてるのか?」
「違います」
「だったらその涙は一体なんだ?」