社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
突然泣き出したのも、ひっくひっくなってしまったのも。
聞かれているのに何も言えなくなってしまったのも。
「赤ちゃんが動いたんです」
――それは胎動を感じる事が出来たから。
「本当か?」
「はい。赤ちゃん動いてくれました…」
ずっといつになったら感じる事が出来るんだろうと待っていた胎動。
でもまさか拓斗さんがいる時に感じる事ができただなんて、生まれる前から親孝行。
「良かったな」
「はい。だからあの下ろして下さい」
もう私を持ち上げている理由もない。
「いや、このまま行く」
「えぇ?」
「この方が早い」
まあ確かに小幅問題でそうかもしれないけど。