社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
お父さんは私が1ヶ月の頃にカメラが故障するくらい、毎日毎日写真を撮り続けたとお母さんから聞いた事がある。
初めて生まれた待望の子供という事もあって凄く愛されてきたんだよね、私って。
「優子は今日の事知ってる?」
「えっ」
「知らないならいい。お母さんもちゃんとしたホテルで誕生日会するのは初めてで緊張」
運転席に座る拓斗さんと助手席に座るお父さんに、聞こえないような声でお母さんはボソリ。
「お母さんも初めてなんだ」
「当たり前でしょ。一流ホテルなんて簡単に行ける場所じゃない」
一流ホテル、かぁ。
そうだよね。
私は普通のホテルでご飯する事自体慣れてないのに、一流ホテルで私の誕生日会してもらえるなんて贅沢過ぎる。