社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
お母さんもお義母さんも結婚式で着るような和服を着ている。
当然だけどお義母さんが着てる着物の方がゴージャスで高そうな生地。
それでも私には同じくらい輝いて見える。
「ふふ。そろそろ出ましょうかね」
「そうですね。優子、ちょっとお母さん出てくるから」
と言ってお義母さんとお母さんだけではなく、ゾロゾロと部屋から出ていって私だけになってしまった。
私はどうすればいいんだろう?
チェアに座りたいけどフリルが崩れそうでちょっと怖くて、暇潰しに部屋中を歩き回りたいけど引き摺り汚れてしまわないか心配。
「どうしよう…」
なんて呟いた時。
―――コンコンッ―
部屋の扉がノックされた。