社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
拓斗さんは車を路肩に寄せると慌ただしく運転席から降りてきて。
そのまま私の前にくると私の肩に手を置いてから、看護師さんへと視線を向けた。
「あなたは?」
「私は通りすがりの者です。奥さんが少し苦しそうな表情をしていたので声をかけて」
「あのね、拓斗さん。この人は看護師さんで私と拓斗さんが来るまで一緒に居てくれたの」
手短に今まであった事を拓斗さんに説明する。
どうして看護師さんと一緒にいるのかも、陣痛の始まりを教えるサインの可能性かもしれない事も。
「ありがとうございます」
「いえ、そういうのはいいですから。早く連れていってあげてください」
そう言うと看護師さんは私と拓斗さんを見た後に頑張って!とファイティングポーズを取った。